- 2010-05-29 (土) 16:59
- その他

先日、自作PCを組んだ訳ですが、そのときのモチベーションの一つに、エアフローのあるモダンなPCケースによる静音化というのがありました。
優秀な静音ケースも、いくつかあるのですが、その中でも今回選んだSilverStoneのFortress FT-02は、静音ケースの極北に位置するケースの一つといえます。
FT-02の特徴は次の3つ。
- エアフローの向きが底面から上面への、上向きのフローになっている
- 底面に、180mmの大口径吸気ファンを3基実装。フロー量を確保
- 裏通し配線ができ、ケーブルによるエアフロー阻害を減少できる
それぞれ、説明していこう。
エアフローの向き
まず、1のエアフローの向きは、理に叶っています。
暖流の上昇方向へエアフローを流すようにして、逆らわず自然に流れるようになっています。
そのため、マザーボードの端子面が上面を向くよう、90度回転する向きになります。

右の写真は配線がすべて完了したところ。
端子が上面に並ぶようになっているのが分かります。
ビデオカード、CPUファン、電源など、いずれも大型パーツが入っていてもなお、内部空間は豊富に確保できます。
もちろん裏通しできるため、ケーブル類があまりPCケース内に出てこないようになっているのも一助あります。
180mmファンを3基搭載
底面には180mmファンが3基搭載されています。
このファンで、PCケース全体にまんべんなく送風できるようになっており、圧倒的な風量を確保しています。
FT-02は底面ファン用の、ファンコントローラを搭載していて、低速/高速回転を切り替えられます。よほどのハイエンド構成×オーバークロック構成でなければ、低速回転でOKでしょう。

また、底面吸気の利点としてケース内に埃がたまりにくく、メンテナンスが楽になっています。
そして、引き出し式のフィルターがついていて、簡単に掃除できます。
こんな、見るからに掃除しやすそうなPCケースは、始めてみました。
裏通し配線って、地味だけどすごい
裏通しとは、配線をマザーボードの裏側で結線することで、基板実装面にケーブルが通らない利点が生まれます。
- パーツの実装がしやすい
ケーブルが邪魔にならないので、パーツ実装がやりやすくなります。狭いPCケース内で、ごにょごにょしていると指を切ったり・・・という経験もありますが、そんな心配が軽減されます - エアフローが確保される
ケーブル1本なら大したことはありませんが、本数が増えると、特にパーツ密集域で、エアフローが重要なところほどケーブルも密集して、エアフローを阻害しがちです。裏通しなら、エアフローは最大限に保たれます

あまりきれいじゃないですが、裏通ししてみました。
ケーブルの長さがフィットしていないのであまり気味ですが、これだけのケーブルをエアフローから逃せます。
ただし、裏通しには欠点もあります。
配線距離が伸びるので、添付品のケーブルでは長さが足りないケースが発生します。
特にFT-02では、ストレージまでの距離が長くなるので、要注意といえます。

ちなみに、このFT-02はSSD用の特殊なドライブマウントができるようになっています。
フロント5インチベイ横の隙間に、SSDが1基搭載できるようになっています。
起動用にSSDを1基搭載するコンフィグレーションをするケースが多いと思うので、これは嬉しい。
光学ドライブのマウントには気をつけて!
FT-02は筐体が大きく、スペースがゆったりと配置されているのですが、たった一つだけ、フロント5インチベイ周辺が窮屈な配置になっています。
FT-02のフロントには5基のスロットがありますが、この一番上のスロットには、長めのユニットは搭載できません。

実際に画像で確認してもらうとわかりやすいでしょう。
Blu-rayドライブを、上から2番目のスロットに搭載していますが、ケース上面とギリギリのスペースしかありません。
Blu-rayドライブはLITEONのIHES208で、奥行きは178mmですが、一番上のスロットには、どうやっても搭載できません。(L字コネクタでも無理)
Blu-rayドライブは奥行きが長めなので、DVDドライブなら収まるかもしれませんが、ミリ単位の覚悟が必要ですね。
そんな覚悟をするくらいなら、一番上のスロットをあきらめるのが良いと思いますがw。
つまり、一番上のスロットは、ファンコントローラ、カードリーダーなど、奥行きが短いユニット専用と割り切る必要があります。
大きさ・重さも覚悟しておけ
内部のスペースが、ゆったりってことは、裏返せばサイズが大きいということ。
前回のエントリーでも触れたけど、一般的なミドルタワーの大きさじゃありません。
普通のミドルタワーとの比較で、二回りは大きくなります。
設置スペースはフルタワーよりも広めを覚悟しましょう。メーカーサイトからマニュアルがダウンロードできるので、サイズは要チェック!
そして、静音のため、剛性が高くなっていて、重いです。
パーツの搭載量にもよりますが、本体重量が10~15kgになってしまうので、ぎっくり腰方面の配慮も必要です。
ハイエンド×静音指向なら、おすすめの静音PCケース
乗り換え前が爆音だったというのもあって、体感で1/3くらいの静音化になりました。
わずかにファンの音がするくらいで、音楽を聴いていると、PCの存在を忘れます。
特にHDDがスリープして、SSDだけになってくると、よりいっそう静かになります。
foorbar2000で音楽を聴きつつ、ブログを書いている現在の状況。

ニコニコ動画や、Webブラウジングなど、負荷をかけないと、これくらいの温度に収まります。排気も、ほとんど暖かくないですね。
ちなみに、Chipset2はPCケース上面のファンです。
長めのグラフィックボードでのSLI化も余裕だし、静音のベースがしっかりしていて、コンフィグレーションの幅が広いので、ハイエンド×静音指向にマッチしたケースだよ。
と結論づけて、次回以降は細かいパーツのレビューを続けます。
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- ****** 19-03-25 (月) 1:40
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