- 2010-03-14 (日) 19:15
- その他

本書は、アイデアの発想法や、コピーライティングの書き方などのテクニックには、あまり具体的に触れていない。
広告コピーを書く時の心構えを中心に書かれているので、この本を読んで広告コピーが書けるようになるかというと、そんなことはない。
だから、経験者が、もっといい広告コピーを書きたい!といった用途には、本書は役立たない。
(題名からして、広告コピーが書けるようになるような印象があるけれど、別のタイトルのほうが良かったと思う)
本書は、まだ広告コピーを書いたことはないけれど、これから書く可能性がある人に、オススメなのだ。
昨年から今年にかけて、広告媒体に元気がない中で、ネット広告が健闘をしている状況が続いている。
ネット広告は今後数年は拡大を続けていく予測があり、これからネット広告に携わる人も出てくるはず。
実は、本書は、そんな人にオススメだったりする。
本書で扱っているのは、広告代理店の大プロジェクトが中心なので、もっとセグメントの小さいネット広告というと、いささか場違いな印象もあるけれど、実際に読んでみると、心構えから導入している本書は、なかなか役に立つ。
例えば、筆者は広告コピーを100本書いてみようと、説く。
通常、ビジネス文書では100種類ものバリエーションを書くことはない。その発想で広告コピーを書いても、貧困な発想のまま書き始めてしまうかもしれない。
それでも闇雲に100本書いてみる?
といった時に、連想をベースにした発想が大事だと、具体例を挙げながら解説してくれる。
筆者は、第一線で活躍するコピーライターであり、具体的なのだ。とても分かりやすい。
筆者の思想として、うわべだけのコピーを批判し、つねに広告コピー(商品)を受け取る人のことを考えている。
「企画書だけうまくなってはいけない」と、戒めるのも、形よりも、中身を重視する姿勢からのもの。
筆者自らが体現者であり、説得力がある。
本書の後半は実例が豊富に挙げられている。
としまえんの史上最低の遊園地、キリンの生茶やラガー、新潮文庫のYonda?など。
中でも、新潮文庫のYonda?は、企画書が収録されていて、クライアントへのプレゼンテーションにも触れられるので、これから広告を企画する担当者には参考になるだろう。
本書を読んでも、広告コピーが書けるようにはならないけれど、大切な心を教えてくれる、そんな魅力が本書には、ある。
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